my freedomlog

美しき国、心と身体を磨く正論ブログを目指す。

言行不一致

世の中、言行不一致を気にかけない、気づかない輩が
多い。

 「言っていることと、やっていることが違うじゃないか」と
言うと、「言ったりやったりは出来ないんだよ」という。

 「大安売り」という落語がある。

 『巡業から帰った関取に町内の人が聞く。

 「成績はどうだった」と聞くと

 「勝ったり負けたりでごんす」と答える。

 そこで取り組みを初日から順に聞いていくと
全部負けている。

 「勝ったり負けたりって言ったじゃないか」

 「いえ、向こうが勝ったり、こちらが負けたりです」という。

 「そんなにまけるのなら四股名を、大安売り
にしたらいいだろう』

 世の中、すべてに反論が成り立つ。国会論戦はその典型
なのかも知れない。

 49対51 多数決ですべてが決まる、つらい世の中である。

 49の思いはどこへ行くのだろうか。

 解決できない問題がある。神の存在と、部分と全体(個人と国家)
の不条理である。

正直とは

田中日淳氏(元池上本門寺管首)は、先の大戦終結後、
シンガポール、「チャンギー刑務所」で、日本人BC級戦犯
の教誨師を務めた。

 太平洋洋戦争の終結後、多くの日本兵が収容され、BC級
戦犯として、不当に裁かれ、死刑に処せられた。

 部隊の中で、お経が読めるのはお前しかいない、だから
行ってくれないか、というようないきさつで、チャンギー刑務所
へ向かったという。

 チャンギーのPホール(死刑囚房)に毎日通うようになった。

明日のない環境の中で、なおそれぞれが立派な方ばかり
で、学ぶことばかりであった。

 その人たちから私に託されるものがあった。「遺書」である。

 妻に、両親に宛てて、何としても届けてほしい、と。

 私は迷った。英国管理の下、当然、収監者と外部との物品
の出し入れは厳しく禁じられていた。

 正直とは、どういうことか、という問いの前で、私は立ちつく
した。

 「論語」と出会った、というしかない。たまたま開いたページ
に、「正直」をめぐる問答が出ていた。

 葉公という知事が孔子のところにやってきて「私の村には、
他人に自慢したいくらいの正直者がいる。その者が盗んだら、
子は隠す。子が盗んだら父は隠す。その中に、おのずから正直
が現れる」と。

 この孔子の言葉に、はたと考え込まざるを得なかった。

 「隠す」とはどういうことか、(盗んだという)事実は隠せない。
その上で、子どもが親をかばうとすれば、方法は一つしかない。

 父の身代りになること。「私がやりました」と罪を引き受ける、
自分が犠牲になる、自分を捨てはじめて親をかばうことができる。

 これが本当の親子の情であり、真実の情なのだ。孔子はその
ことを教えているのではないか。

 そう考えたとき、迷いが消えた。発覚したら、自分が犠牲になれ
ばいい。遺書を、魂の叫びを、禁を破っても命がけでお預かりしよ
う。 心は決まった。

 振り返って、私はその時、仏教の説く「真実」を学んだのである。

 産経新聞 (南方収容所で学んだ真実)より抜粋。


 田中日淳氏は、85歳の時、今日まで大切にお預かり
していた遺書、直筆の手紙など9点を、靖国神社、「偕行
文庫」に奉納させて頂いた、という。

 現在90歳を越えられて、「正直」とは何か、と考えつめた
日々が蘇る。

 先の大戦で、祖国を背負って戦い、命を落とした英霊たち
が、何を思い、愛する人たちに何を遺したかったのか、未だ
想いを馳せるという。

忍耐力

「人が時代を作り、時代が人を作る」 佐藤愛子氏が、
文芸春秋に寄せたエッセイである。

 しごと なされよ

 きりきりしゃん と
 
 かけたたすき  の

 きれる ほど

 村外れの水車小屋の番人である五一じいさんは、機嫌
よく歌を歌いながら一日中働いている。

 愛子氏が学んだ、小学校2年の教科書に載った「五一
じいさん」は、唱歌にもなって、皆で合唱したという。

 きりきりしゃん と仕事をする、働くことの美徳が子供たち
に染み込んでいった。

 「日本女性は、我慢強いことは世界一です、出産のとき
日本女性はどんなに苦しくても決して泣かない」 と先生
は言った、という。
 
 私の父(佐藤紅録氏)は、

 「強いということは、誇りを持っているという事だ」 

 「人として誇りのない奴がグウタラになる」 

 「カネカネという奴は下司野郎だ」

  と言った、という。

 こうしてある時代の日本人の基礎が作られていった。

 それが良いとか悪いとかをここでいうつもりはない。

 しかし、国破れ、どん底から奇跡の経済成長を遂げたのは、
こうした努力勤勉、忍耐、克己の精神が染み込んでいたから
ではないだろうか。

 苦しい時は遠慮せずに泣けばいい。

 無理に我慢しているとプッツンする。

 苦しい時に泣かないのは、無駄な我慢だという。

 今はそういう。

 しかし、愛子氏は言う。

 我慢に無駄はない。たとえ理屈に通らぬ我慢であっても、
だ。なぜなら、それによって鍛えられて身につく精神力が
有るからだ。それが生きていく上でモノをいう。

 世の中、理不尽や、不如意が満ち満ちている。闘うにも
闘えない場合がある。地震や旱魃などの自然現象だ。

 坑いようのない病気や死別だ。その時にモノを言うのが
「耐える力」ではないのか。

 (文芸春秋 SPECIAL より抜粋)

 耐震偽装、食品偽装、何と教員採用汚職まで、偽装が
万延する。汗を流さず手抜きをする、ズルをする。我慢や
辛抱を嫌う。


 日本人が持っていた高い倫理観、忍耐力が揺らいでいる。

 軸足を失ったコマは回ることが出来ない。

 きりきりしゃん、 と仕事をして、先人たちが流してきた汗の
結晶に応えねば申し訳が立たないであろうに。

シャレかジョークか

 ”あなたの瞳に虹を見た”と歌った歌手がいた。

 壮絶な生きざまを魅せた、水原弘である。

 あなたの瞳や心に、虹や光を見て、ああこの人に
ついて行きたい、と言い、連れ添った人も多い。

 長年連れ添って、今、何故か光るところが、どこか
違う。

 
 風呂で釣りをしている男に、通りがかりの男が
訊ねた。

 釣れますか?

 旦那、これは風呂ですよ。


 初めは、今どき人気の小咄から、次は、アルベール・
カミユのエッセイからである。

 ああかん違い、すれ違い、人の世の不条理であろうか。

解のない問題

「数学嫌いな人のための数学」 小室 直樹 著

数学には、「解のない問題」、「解があっても解けない方程式」
つまり答えのない問題も有る、という。

 古代ギリシャに、三大難問があった。

 角を三等分せよ

 円と等面積の正方形を作れ

 形が同じで体積を二倍にせよ


 これらの問題が、不可能と証明されたのは十九世紀に
入ってからだという。

 著者は言う。

 『いかに解くべきか?」 ここに問題がある。この考えこそ
が、そもそもの大間違いだ。

 問題には解(答え)のない問題もある。このことをギリシャの
三大難問は教えてくれる。

 ここが肝要。 政治家にとっても、起業家にとっても、このこと
を覚る(さとる)ことが一番大切なのである」

 数学の効用は、まさにここにある。今の学校教育では、解(根)
のない方程式があることなんて本気になって教えてくれない』

インドヒンドゥーの神、阿修羅は、あまりにも正義を主張しすぎて、
他の神々より天界から追放されてしまったという。

 実社会では、答えは一つではない。正義も、真実も一つではない。
一つの答えを選択するのは容易ではない。他者を傷つけず、自己も
共同体も、ともに生きながらえる答えを見つけねばならない。

やわで身勝手な若者が育つ。思い通り行かない世間をねたみ暴発
する。真因は何か。対策は? この問いに答えは有るのか。

騒然たる世相である。 つらい選択に耐える精神を養うのは、学問
より、幼少期に受ける親たちの、子供たちの将来を見据えた公正な
スキンシップなのかも知れない。

運命の女神

「男と陰」
 
 自分の影を捕まえようとした男がいた。

 男は影に向かって一歩、二歩と進む。

 だが、影は男から離れる。

 男は足を速める。それでも同じ事だ。

 ついに男は走りだす。男が速く走れば走るほど、

 影も早く走る。手に入りそうにない宝物のようだ。

 だが、見よ!その風変りな友人は、にわかに振り返ると、

 影と反対の方向に歩いていく。

 ほどなく後ろを見る。いまや影は男を追いかけてくる。

 美しい女性たちよ、私はしばし気づいた........

 運命の女神は、われわれをこれと同じように扱うことに。

 一人の男が、全力で女神を捕まえようとする。だが、時間と

 労力を無駄にするだけだ。

 別の男は、どう見ても女神から遠ざかるように走っている。

 だが、そうではない。

 女神自身は、男を追うのを楽しんでいるのだ。


 「寓話集」 イヴァン・クリロフ 1768〜1844  

 (権力に翻弄されないための48の法則、より抜粋)


女神は気まぐれ、振り向いて、いつ微笑んでくれるのだろうか。

草花の匂い

「卯の花の匂う垣根にホトトギス早も来鳴きて」
 
 子どもの頃に歌った小学唱歌である。

 100年ほど前までこの歌は、日本中で歌われていたという。

 『最近のイタリアの新聞に、米国の研究者によると「大気汚染
が原因で草花の匂いが低下」したという記事が載った。

 1800年代には、野生の花の匂いは、1キロから1.2キロ先まで
届いたのに、現在はわずか200メートルに過ぎないという』

 産経新聞、「イタリア便り」より抜粋

 草花だけではない。ハウス栽培の季節を問わない野菜や果物
たちが、匂いや香りを失い、われわれの五感を狂わせる。
 
 「花は紅、柳は緑、 真面目 ( しんめんもく ) 」 宋時代の詩人、
蘇東坡 が歌った、ありのままの自然はどこへ行ったのか。

 我が家の小さな庭の一角に、毎春咲く「匂いうつぎ」の花と
香りは、通りすがりの人たちが振り返って行きます。

 まさに、万人が帰りたいと願うところ、それは里山や草木の
匂いがするあの懐かしい自然かも知れない。

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